こんにちは。原田ケンスケ@岡山です。
今日の昼は、洋食屋さんルーアンで、ポークカツレツ。絶品でした。

ゴールデンウィーク明けからもやもやとしている話を書いてみます。
内容は、「学生支援緊急給付金」という新たな制度についてです。

1:学生支援緊急給付金について
2:コロナの影響を受けた大学生などの状況
3:そもそも日本の大学生と若者の状況
4:そもそも日本の若者の状況
5:で、大学生だけの支援でいいのか?
6:分断を広げないように。

1:学生支援緊急給付金について

まずは、制度について。ざっくりいうと、コロナの影響で収入の減った大学生などに10万円または20万円を渡す制度です。

少し詳しく見ると、
新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、アルバイトの収入が減少した学生への支援策です。
対象となる人は、大学、大学院、短期大学、高等専門学校や日本語学校の生徒など。
そして、バイト代から学費を払っているなど「家庭から自立」していることも要件に入っています。
給付額は基本は10万円で、住民税非課税世帯の場合は20万円です。
手続きとしては学生自身が、通う大学へ申請をして、大学内で審議がなされ、通れば、日本学生支援機構を通じて支払われるという流れです。

文部科学省のHPの該当ページはこちら

文部科学省のHPより

2:コロナの影響を受けた大学生などの状況

いま、大学生に何が起きているのか。

大学生も、他の多くの人と同様にコロナの影響を多く受けています。

まずは、収入の減少。
大学生協が全国約35,000人の大学生を対象に行なった調査によると、
約40%の学生がアルバイト収入が減少
60%以上の学生が経済的な不安を感じている
 とのことです。
詳細はこちらより  https://www.univcoop.or.jp/covid19/enquete/index.html

また、先日のブログでも取り上げさせていただきましたが、岡山県内の調査でも、4人に1人の学生が学費の支払いが難しくなっていると回答しています。

そして、通常の大学生活を送ることができない。
多くの大学は対面での授業を中止とし、オンラインでの授業等へ移行。
図書館やゼミ室等に出入りすることもできない。
研究や実習などオンラインでは対応できないものはできていない状況。
また、部活やサークルなどの授業以外の活動もストップ。

各大学独自の支援策として、学生に数万円の現金給付を行う大学もそれなりの件数あるようです。
しかし、学生自身から話を聞くと、約束されていた大学生活が行えないのに、学費を満額支払うことへの不満を多く聞きます。
誰とも会えず、孤独にオンライン授業を受けるだけの日々でメンタル的に厳しいという話も聞きます。

最後に、将来への不安が増している。
就職活動もコロナの影響で、企業の採用減少などの厳しい状況が予想される。
教育実習や様々な試験などもどのような開催方式になるかわからない。

ざっくりとした整理ですが、大学生ならではの困りごとが多くある。
もちろん、離れ離れになった友達と久しぶりにオンライン飲み会をしたとか、ネットフリックス見まくってますという声も聞きます。
まあ、そのあたりは社会全体と一緒で、困っている人困っていない人色々ではありますが、困っている学生がいることに間違いはありません。

3:そもそも日本の大学生の状況

そもそもの日本の大学生や若者状況を少しだけ整理します。
昨今多くの議論にある大学の学費。国公立大学は平均約50万円でOECD諸国で6番目に高い。
日本の高等教育に対しての公的支出はOECD加盟国で最下位の比率。
大学生の4人に1人が、返さなければならないローン型の奨学金を借りて、300万以上の重荷とともに社会人生活が始まる。

「大学生って自由でいいよね」といえる状況ではない。
そもそも、コロナ以前から高等教育への支援を政治が、社会がしてこなかったと言える。

4:そもそも日本の若者の状況

少し話を広げて、日本の若者世代の状況を同じく少しだけ整理します。
大学・短大への進学率は58.1%。専門学校への進学率も含めれば82.6%

しかし、ひとり親家庭や児童養護施設などの大学や専門学校への進学率は30%少しと全体の数字と大きな開きがある。
日本の子ども相対的貧困率は13.9%とOECD諸国の中で10番目に高い。
(相対的貧困率とは、その国の平均的な生活水準の半分以下の世帯の状況)
そして、中卒高卒の非正規雇用率は、大卒に比べて高く、年収も低い。
また、そもそも国の予算の中で、教育や家庭に関する支出の割合が諸外国に比べて低く、現役時代の所得を20年前と比べると減少している。

国が予算を教育や家庭に割いていないため、
家庭や育ちの境遇に寄って、大学等への進学率が異なる。
その結果、生涯年収にも差が生じる。
いわゆる貧困の連鎖が起きている状況。

5:で、大学生だけの支援でいいのか?

前置きがだいぶ長くなりましたが、私が言いたいことは、
「学生の一部だけを支援する学生支援緊急給付金」には反対ということ。
アルバイトが減少して困っている人は、学生だけではない。

学生をどうしても優先的に支援をする必要があるということならば、「大学の学費減額」や「学費の支払いの猶予」などで対応するべきだと思っています。

休業手当と雇用調整助成金の流れによる従業員と雇用者への支援が全くうまく回っていない状況を改善するなどして、もっと幅広に支援を行うべき状況です。

そもそも、家庭の状況によって大学に行くことを選択できなかった人がいる。
それを、学生だけを”優遇”する政策を進めることによって、社会の中での分断が広がってしまうことが心配です。
どうしても、学生だけを優先的に支援をする必要があると考えるならば、その考えの根拠となる理由と政治理念を教えてほしい。

また、そもそもこの学生支援策は、2020年度一般会計予備費からわずか530億円を使うだけの政策。
仮に本気で学生の支援を行おうと思っているのであれば、補正予算の中にしっかりと項目を立てて実施するものではないでしょうか?
学生支援の点だけ考えても、本気度が感じられる政策でない。

6:困っている人みんなの支援をしっかりと

コロナで様々な経済活動止まっことの直接の影響を受けるのは、収入が減った人・売上が減った会社。
その中の一部の人だけを理由なく支援することは、一部の既得権益のほうだけ向いた政治を行うことと変わらない。

世代間格差の増大や、若い世代の貧困などを変えていきたいと思い活動を続けてきた私ですが、今回の学生だけ支援策に反対。
若者の支援をするならもっと本気で広い範囲に支援をしてほしい。

安倍政権が進めようとしているだけではなく、同様の法案を多くの野党も賛成をしていることもあり、大きな議論もなく実現されてしまうのだと思う。
でも、この記事を読んで、私と同様に違和感を持ってくださる方が少しでも増えればと思っています。

もちろん、今回の支援を受けることができる学生は素早く申請して受け取ればいい。学生を出汁(だし)にして、いいことやった感を出している政治に怒っているだけなので。

<現状の学生支援の情報>
文部科学省による奨学金などの支援情報はこちらです。

新型コロナウイルス感染症の影響で学費等支援が必要になった学生のみなさんへ

全国の2000件の奨学金を調べることができるサイトがあります。
→ Crono My奨学金


参考リンク
※1大学生協緊急アンケート
※2大学授業料の国際比較をさぐる(2020年時点最新版)(不破雷蔵) – Y!ニュース
※3コロナ禍から浮かぶ、民主主義と「学費」の関係(下)(論座)
※4大学生の奨学金受給率が7年連続で減少 「貸与型」受給者の7割が返済に不安|高校生新聞オンライン|
※5令和元年度学校基本調査(文部科学省)
※6児童養護施設から大学へ支援に課題(産経west)

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